これまで十大主星の講座で、もれなく毎回みなさまにチャレンジしていただいている課題シリーズを、見事にすべて3パターンずつ書き上げてくれたEさんの解答例ご紹介、いよいよ最終回です。
「相剋関係の十大主星を組み合わせたとき、想像できるケンカのパターンや、人間関係のすれ違い場面をシュミレーションしてください」というものです。
ほんとうは総当たり!にしたいところですが、まずは練習ですし、思考実験なので、わかりやすいように陽×陽、陰×陰の組み合わせをオススメしています。
陽×陽の組み合わせ
貫索星×禄存星
鳳閣星×車騎星
禄存星×龍高星
車騎星×貫索星
龍高星×鳳閣星
陰×陰の組み合わせ
石門星×司禄星
調舒星×牽牛星
司禄星×玉堂星
牽牛星×石門星
玉堂星×調舒星
以上、この10パターンの相剋関係について、リアルな人間関係として想像して言葉にしてみてください。
このシリーズ、だんだん長くなってますね。陽の星はストレートで単純ですが、陰の星は屈折していて複雑です。後半の陰シリーズになってから、いろいろと誤解を招きそうな部分、クレームになりそうな部分へとあちこち解説を書き足していたら、どんどん長くなりました。今回はどうなるかな?ええ。やっぱり長いです。
ではEさんからの解答例、第十回(最終回)いってみましょう。牽牛星と石門星の組み合わせの場合です。
牽牛星は、集団のルールと秩序を重んじ、たゆまぬ自己鍛錬を続け、社会にとって有用な存在になろうとする性質。
石門星は、自他の違いを重んじ、曖昧さや多様性を許容し、誰に対しても自由で平等な存在として振る舞う性質。
どちらも複数の人間が集まる「集団性」がテーマでありながら、牽牛星は規律や目的がある集団が得意です。物事を効率よく進めるための上下関係や規則を求めます。いっぽう石門星は「わたしはわたし、あなたはあなた」がモットーで、年齢や性別、お互いの立場は関係なくフラットな人間関係を築こうとします。牽牛星からみると石門星は「社会や集団のルールに従わない生意気な奴」に見えるかもしれません。
ここまでのシリーズでとても重要なのは、実際の人がなんの星を持ってるかよりも「●●星」とはどういう象徴なのか?という話です。もっと視野を広げて、視点の高いところから考えてみましょう。
例えばいちばんわかりやすくいうと、制服を着る職業は「牽牛星的」な立場の象徴です。個人ではなく公の役割を果たします。大きな災害時でもライフラインを守るために働いてくれる人たち、お正月もGWも関係なく常に人の命を守るために働いてくれる人たちは非常に「牽牛星的」です。「任務」という言葉が似合います。尊い。ありがたい存在です。
もうちょっと日常的なところでは、イベントやライブ会場、花火や初詣など、非常にたくさんの人が集まる場所では、参加者に危険がないように、しっかりした統制と指示誘導も必要です。そのような管理体制もまた「牽牛星的」です。牽牛星は権威的で堅苦しくなりがちですが、その反面、人間の生活を安全にコントロールする非常に大切な存在です。
では実際の場面を想定して、どんな人がどんな場面でどんなことを言いそうか、想像してみましょう。詳しい方はぜひ、ご自分の周りにいる牽牛星的な人や、石門星的な人の言動を思いだしてみてください。どちらかにご自身が該当する場合は、ご自身のエピソードを参考になさってみてもOKです。
なるべくご自身で考えて書いてみてから、以下の解答例をご覧くださいね!
牽牛星×石門星|同僚編
石門さん
牽牛さん
石門さん
牽牛さん
あー。困りますね。こういう事例、ますます増えてるんじゃないでしょうか。さぁ!ここで問題です。このあと石門さんはどうするでしょう?折れずに牽牛ちゃんに頼み込むか、ターゲットを変えて他の人を攻略するか?
だいたいは牽牛さんが立場や責任を大幅に超過した仕事を任されて困り果て「思いつきで動くマイペースな上司に困っています」的なご相談のパターンです。シャキケンギュー族のみなさまは「同じセクションの人がみんな辞めて、4人分の仕事をひとりでやっていた」みたいな話をさらーっと普通にするので、目玉が飛び出ます。
昔ながらのベタなフォーマットで書いてみた。たまき例。
石門さん
牽牛さん
石門さん
牽牛さん
うん。昭和の香りがするな。イマドキの会社でこれはダメでしょう?そうそう。昭和っぽいといえば、これな。いまちょうどこんな記事をみました。「習慣としきたり」「上司のメンツ」という難問。
地方の中小企業の業務を僅か30行のコードで自動化して劇的に改善したところ、早番の制度はなくなり担当の女性陣に感謝され、上司の面目を潰し、最終的には旧来の制度と指示系統を乱したとして会社をクビになったお話。
これが日本のいまの現実なんだなあと。。https://t.co/1zNajuNgCY— a2see@VNOSバーチャルCEO (@a2see) December 9, 2019
年功序列とか先輩を立てる、後輩は最初に来て最後に帰れ!みたいな話は、モロに旧来型の牽牛星的な発想です。悪いことに、シャキケンギュー族は下手すると「苦労することに意味がある教」になりやすい。石門星的な感性の人は「残業のための残業に、なんの意味があるんですか?」「わたしは会社より家族の方が大事なので帰ります」とさらりと言うでしょう。
「じぶんだいじに」は、従来の日本の文化の文脈では「自分勝手」と変換されやすいです。「組織のために」「子供のために」自分を抑えて自我を殺して尽くすことが美談として礼賛されやすい。
昭和の時代は高度成長期やバブルもあって「モーレツ社員」「24時間働けます」にもリターンがありました。そのあとは、強制的に「きちんとがんばる」に適応しなければ生き残れなかった世代があります。結果的に、日本は人口がどんどん減って、予定通り順調に衰退中ですね。
個人の幸せなくして、社会だけが豊かになるなんてことあるのか?(今回でてきませんが、禄存司禄のお金のテーマもこの問題にからみますね)そういう類の話だと考えています。ざっくり言いますと、牽牛星×石門星のテーマはだいたい「集団の規律vs個人の自由」そういう矛盾の中でで起こってくる齟齬のお話でありましょう。
牽牛星×石門星|恋人編
石門さん(男)
牽牛さん(女)
石門さん(男)
牽牛さん(女)
石門さん(男)
牽牛さん(女)
はい。「きちんとがんばる」いただきましたー。これは牽牛さん怒るだろうなぁ。「もっと楽にしたらいいよ」は、わたしの一存で勝手に追加しましたよ。牽牛星は立場とか役割がだいじなんです。「別にそういうのどうでもいいんじゃない?」とか石門や貫索が言ったらめちゃくちゃ嫌な顔しますよ。
ふだんはそんな品のないこと言わないストイックな牽牛星さんたちにも、うまーく水を向けると「あの人はいつもわたしはわたし、とか言って自由気ままに自分勝手なことばっかりしてて、その後始末を誰が尻拭いするんじゃーーー!!」みたいな話をしてくれます。
あっはっは。きっと自分が気がつかないうちに、自分には見えないところで、牽牛星さんに助けてもらってるタイプの人、たくさんいるはずですよ。たとえ方便でも形だけでも「きちんと」が大事な場面も世の中にはたくさんありますね。
牽牛星×石門星|親子編
石門ちゃん(こども)
牽牛さん(母)
石門さん(こども)
牽牛さん(母)
うふふふふ。仮面ライダーの話を生徒といちばんフランクに話してくれそうな先生は?ということで「龍高先生」にしてみました。いかがでしょう? 先生との距離感、このあたりの感覚はまさに人それぞれでしょう。世代や育った環境にも大きく影響されるはずです。
それにしても、日本の学校の「THE 管理」は行き過ぎではありませんか? もともと教育を司る領域は龍高星と玉堂星で、それは「可能性を伸ばす」からです。「個性」は管理が面倒です。だったら画一化したら効率がいい!って、工業製品じゃないんだし。
また、英語で話すときには、石門星的な感覚が必要だと感じます。(他の言語は知らないけど)もちろんフォーマルで丁寧な言い回しや丁寧語はあるにしても、日本語ほどその場に応じて適切に一人称も変えて、相手をもちあげたり自分をへりくだらせたり、常に相手との立場の上下関係を気にする必要はない。「わたしはー」「あなたはー」「●●はー」とはじまる。
日本の組織に根強くあった年功序列のシステムは、東アジアに根強い儒教の影響でしょうか。それは間違いなく牽牛星的なセンスと通底する感覚でありましょう。
牽牛星や石門星には、「組織」とか「集団」という解説が必ずでてきますが、ただ字面だけで暗記するとひっかかるポイントです。
牽牛星といえば、ヒエラルキー。特定の目的をもった組織を効率よく動かすためには、ルールがはっきりしていて、上から下へ指揮系統がはっきりしている必要があるでしょう。牽牛星的なセンスが究極に目指すのは、トップに立つ指揮官です。それは鍛え上げられて磨き抜かれたエリートの姿。(たいへんだ。しかしかっこいい)
石門星は政治家や宗教家の星と言われます。どうして?とずっと不思議でしたが、だんだんわかってきました。石門星的な感覚では「いろんな人がいるよね。それがあたりまえ」だからでしょう。石門星的な目標は、いかにしたたかに、折れることなくあきらめることなく自分の意思を通すか?(たいへんだ。しかし最強かも?)
牽牛星はとてつもなくプライドが高く自尊心の塊。「ひとかどのもの」になりたい。おそらく既存の組織のなかでのし上がって頭角をあらわしていくのが良いでしょう。なにもないゼロ状態から何かを作り出すのは不得意。
対して、石門星は自己像がだいたいとても大きくて本音を絶対外に見せない戦略家。慣習と因習の中で、ただ黙っておとなしく上の言うことに従っているだけではストレスが溜まります。それなら自分で自分の居場所を作ればいいじゃないか。
どちらも社会の中で揉まれて修行してこそでしょう。楽チンに家でごろごろしたまま、冒険に出かけることなく、立派な勇者になることはできません。社会の中でたくましく生きるには、どちらもたいへん頼もしい味方になってくれる星でしょう。かっこええなー。がんばってー!(つまりお家や内面の世界に引きこもっていたら、どちらの星もぜんぜん稼働しません)
さて、牽牛星と石門星、ご自身はどちら寄りですか?どちらにより共感しますか?どちらの行動パターンのほうがご自身に近いですか?周りにこのような人はいらっしゃいませんか? そんなこともあれこれ考えてみると、ますます実践力がUPすることでしょう。
以上、全10パターンをお届けいたしました。見逃しがないように、ぜひもういちどチェックしてみてくださいね。
10パターン書くだけでもたいへんなのに、すべて3例ずつ書いてくれたEさん、本当にありがとうございました。これでものすごーく実力UPしたこと間違いないでしょう。刺激を受けたみなさまもぜひそれぞれに挑戦してみてください。
あともう一回、みなさまからのご感想とわたしからのコメントを追ってお届けしてまいります。