12/21記+12/29追加
2018立春-2019節分までのあいだは「戊戌」といういかにも山々しい重厚な年です。ここで申酉戌、という秋の金気シーズンが終わり、2019年立春からの3年間は、亥子丑という冬の水気シーズンが始まります。亥はとどまることを知らない水流のような内面の激しさ、内に秘めた気の強さや一途さを象徴します。
もともと「亥」を持つ人たちは、本来の気性の強さや思い込みの激しさがより際立つ場面が予想されます。頭の回転が速く、感情豊かな人たちだからこそ、その場の勢いでの言い過ぎやりすぎに気を付けて、TPOをわきまえ相手との距離感よく自覚したうえで、自らの感情をうまくコントロールしていく必要があるでしょう。
また、亥年に最も大きな影響を受けそうなのは「巳」の関係者のみなさまです。(巳年生まれ、巳月生まれ、巳日生まれ)どこに?なにが?という予測までを干支の並びから読み解くスキルは非常に難解ですが、ざっくりいうと、ふだんわたしはこのようにご説明しています。
日月年
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○○○ 天干
■■■ 地支
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←←←←出来事の推移(時間の流れ)は右から左に進む
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1 先祖や親、ものごとの始まり
2 立地(本人の立場、家系や居場所など)
3 自分自身(+配偶者、私的領域)
亥と巳は正反対の組み合わせで「対冲」とよばれます。西洋占星術ならオポジション。「対冲」は急激にぶつかる、離れる、壊れる、などと昔から凶とされていますが、それだけでもありません。どうしても粘着質であきらめない(あきらめの悪い)巳の人たちにとっては、すでに発展性のなくなってしまったものを手放したり、脱皮して大きくバージョンアップするように、思い切った変化を取り入れるにはたいへん適した時期と言えます。頑張りどころです。
十干でみるなら、己の来年には、甲の人はふだんと違ったことをする(ふだんと違った自分になる)チャンスです。つまり、いつもと変わらず、いつもどおりにしようとしても、なかなか調子が出ないかもしれません。「じぶんはじぶん」とマイペースで過ごしている人が、あえて厄介ごとを引き受けて周りの面倒を見たり、受け身に回ってみるのもいいでしょう。世界がひろがります。
己は何もかも受け入れる、もともと清濁併せ呑む性質があります。亥と組み合わさって己亥となると、事態はますます混沌として、混迷する場面が増えるでしょう。NOと言わない、言えない、言わせないことから生じる問題、ブラックだとわかっていることにあえて手を染めるなど、はっきりしない。隠し事や詐欺のようなあいまいで不明瞭な事件やトラブルには気を付けましょう。
ただし、あまりにも清く澄んだ水だけでは世界は満ち足りることはありません。あまりにも整って美しいものからは、それ以上の発展を望むのが難しいこともあります。底が見えないほど濁った水、泥の中から美しい蓮が咲いたり、さまざまな要素が混ざり合うなかから新しいアイデアや理想が生まれてくるように、未来への希望や、そのために必要な戦い(さえも)必要となるでしょう。
ここからしばらく「水気」が増える年回りが続きます。水は万物の命を育む存在であると同時に、多すぎればすべてを押し流す怖ろしい存在でもあります。水は潤下(じゅんか)、したに下がって溜まるもの、で「智」を司ります。冬は「ひえる」であると同時に「ふゆる(増える)」ために、室内で(心の中で)エネルギーをしっかり貯蔵する時期でもあります。
すでにだぶだぶに水を貯め込みすぎているような人たちにとっては、積極的にエネルギーを放出して循環させていく必要がありますし、からからに干からびてしまっている人たちにとっては恵みの水のシーズンとなるでしょう。それぞれの人にとって「水」がどのような影響をもたらすかは、ここでは説明しきれないので、ぜひ鑑定にいらしてください。
明日は冬至です。太陽の力がいちばん弱まり、そしてまた力を取り戻す(日が長くなり始める)、暦の上での重要な転換点です。占いを学べば学ぶほど、わたしたちにとっての時間はのっぺりと均一で単調な流れではなく、さまざまな色や形や特徴があって、そのときによって流れる速度も粘度も違うことがわかります。飛び込んで実際に泳いでみないとわからないことだらけで、決して変わらぬものなどなく、同じチャンスは二度とない、です。(天海玉紀)
12/29追加
先日開催した「東西占術で2019年を読む」講座では、ミズマチユミコ先生が西洋占星術の視点から、私が干支暦の視点から、それぞれに2019年の世相や時代の流れを予測しました。ミズマチ先生のご説明の中で特に印象的だったのが、2019年は「2020年に『心の開国』をするための準備期間」とのフレーズでした。くびが取れそうなくらい「うんうん!」と頷きまくった私です。(なぜ「開国?」と思われたあなたはぜひ、ミズマチ先生の個人鑑定へGO!)
干支暦で見ても、2020年は冬至を表す「子」年で、陰が極まる冬の底、の意味です。2019年からの3年間の時代は、暦の上では「亥ー子ー丑」という水のセット、つまり冬のサイクルに入ります。ちなみにそもそも冬は冷えて固まる時期。次の春に向けてエネルギーを溜め込む時期です。亥の性質は激しく、爆発的な勢いのあるエネルギーを内側に秘めています。
先日の講座でわたしがお話しした分から、みなさまにとってもきっとご参考になるかもしれない、「亥年」のこれまでの歴史的な背景の部分の一部を抜粋&転記しておきます。
2019年(平成31年)己亥年
運気は波乱含み
天皇陛下の代替わりと新元号の公布 → 2019年4月30日、天皇陛下の退位→翌5月1日に皇太子さまが新天皇に即位
亥年現象(いどしげんしょう)= 亥年は春に統一地方選、夏に参院選。亥年の参議院議員通常選挙において、自由民主党(以下、自民党)が苦戦を強いられるとする元朝日新聞記者の石川真澄氏による仮説。
消費税10%予定(最初に消費税が日本に導入されたのは、平成元年=1989年4月)
12年前の2007年(平成19年)丁亥年
サブプライムローン問題からリーマンショックへ
2007年の漢字「偽」→ ダンボール肉まん事件など食品偽装、年金記録問題、「ホームレス中学生」、ハニカミ王子、ネットカフェ難民、闇サイト事件、ビリーズブートキャンプ、「どげんかせんといかん」「そんなの関係ねぇ!」、初音ミク、「千の風になって」年間売り上げNo.1、ケータイ小説ブーム、初代iPhone登場
24年前の1995年(平成7年)乙亥年
戦後史の転機・敗戦後50年
1995年の漢字「震」→ 阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件(→従来の社会はこれ以上続かないという漠然とした不安が広がる)インターネット黎明期、社会党の村山富市首相、完全失業率3%突入、価格破壊、規制緩和、構造改革、Windows95登場、携帯電話の普及、「失楽園」、プリクラ、バイオホラー(パラサイトイブ、らせん)、「脳内革命」(疑似科学、オカルト的自己啓発)、「新世紀エヴァンゲリオン」、ダウンタウン、ドリカム、小室哲哉、イチロー、野茂英雄メジャーリーグ入り
36年前の1983年(昭和58年)癸亥年
東京ディズニーランド開園(年末まで800万人突破)、TVドラマ「おしん」(視聴率62.9%)、ロッキード事件初公判で田中角栄元総理に実刑判決、自民党過半数割れ(28年の単独政権終了)三宅島大噴火、ファミコン発売、テクノカット、キン肉マン消しゴム、入浴剤バブ、六甲のおいしい水、頭がウニになる、ニャンニャンする、「気くばりのすすめ」「積木くずし」
2019年は天皇陛下の代替わりがあり、2020年にはオリンピック開催が予定されています。2025年の万博開催も決定し、まるで高度成長期のタイムスケジュールをなぞるように、高度成長期の再来を願うようなスケジュールが組まれています。しかし、どんなに明るい未来の展望や経済の成長、景気の浮揚がどんなにうたわれようと若者人口の減少に伴う、超!高齢化社会の到来は待ったなしの状態です。以前の日本が体験した右肩上がりの高度成長期のように「給料はどんどん上がって、消費をどんどんふやして、これからの未来はどんどんよくなる♪」と手放しで楽観できる状態ではないことは明らかでしょう。
かといって、無駄に悲観的になるのもよくないことです。特に冬の時代には、あけっぴろげな楽観主義は影を潜め、将来への不安が募り、世の中に内向きな気分が広がりやすい時でもあります。だからこそあらためて、来たる新しい時代をどのように暮らしていくか、個人個人がしっかり備え、かつ周りと協力しあいながら、未来の展望を描いていくかが大切なときでしょう。
※ 十干別の運勢予報はこちら!(1月2日更新)
※ 11月の立冬直後に書いた分に、2019年に変動が大きそうな方々のリストを追加しました。あわせてどうぞ!