ご家族鑑定について、前回の続きです。最後のほうにこう書きました。
ご自身+お子さんを含むご家族鑑定の場合は、基本的にはご自身の内面よりもご家族全体のバランスに着目します。ご自身の内面にはあまり踏み込みませんので、ご自分のことはある程度自分で納得して安定している人のほうが、ご家族鑑定をうまく生かしていただけます。
ご家族鑑定でいちばん多いご要望は、ご自身+お子さん(たち)についてのご相談です。放っておくと「主人は要らない」とおっしゃられる場合もあるのですが(そこらへんもいろいろツッコミどころである)離婚して長年会ってない、とでもない限り、全員分を拝見させていただいております。
しかしながら、これとは別のタイプのご家族鑑定もあって、むしろこっちのほうが必要&重要なんじゃないか?と思われる方に多々お目にかかります。そして、そのタイプのご家族鑑定の場合は、ご家族鑑定と言いながら、ご自身の中を深く深く掘り返して振り返って頂く内容になることがほとんどです。ご自身をより深く知りたいなら、個人鑑定よりもむしろこちらかも、と常々思っております。
それが「ご自身+実の(育ての)親」という組み合せのご家族鑑定です。
特にインナーチャイルドカードのお話を伺っているときに「次はこちらのタイプのご家族鑑定をいかがですか?」とお勧めしたくなるケースは実は結構たくさんあります。
司禄星をたくさん持つアラサー美女が、つい先日帰省から戻ってきてこんなかんじのお話を聞かせてくださいました。
「うちのお母さん、いつも忙しそうに人の面倒をこまごまとお世話してばっかりで、いつも動き回ってばっかりで、食事時もぜんぜん座ることもゆっくりお茶飲むようなことも無くて、忙しい忙しいってばっかり言ってて、あれじゃあ疲れるだろうなーって思いました。これまでは、それがあたりまえ、女の人の役目ってそういうものだと思っていたけど、ちょっと視点を変えると、お母さんずっとあのままじゃ体壊すよね、って心配になったし、自分もついついお母さんと同じようなことを無意識にやってるな、って、初めて気がつきました」と。
彼女は、無意識についついお母さんの真似をして、お母さんと同じように振る舞っている(そしてそれはたぶん世の中では「気が利く優しい女性」として賞賛される行動だ)ご自分に気づかれたのですね。よかったです。(がんばりすぎて、でもそれを自覚出来ずに、ひどい体調不良をひき起こしてしまっているのです)
無自覚に、無意識に、常にひとのことひとのことひとのこと…と向かって行くと、そのうちご自分がスカスカに疲れ果ててしまう。放っておくとそうなってしまうかもしれない?!なーんて、ご自分の傾向に気づくだけでも、全然違います。
ご自分があたりまえ、とおもっているパターンや考え方や信念の多くは、親の影響下に形成されたものだったりします。もちろんいいものはそのまま活かして、ご自身のなにかひっかかりになっているものがあれば、そこを検証する。そのあたりを丹念に振り返ってみていただいています。
それでは、全然別の角度から。わたしの昔からの知人友人の男性の中には、ご自身のお父さんが突然どこかに失踪した(生存してるが行方不明)とか、父が家族を放ったらかしにして不誠実な行動を取ってばかりなので、残されたお母さんを助けるように頑張ってきた(いる)、という方々がいらっしゃいます。
きっと子供ながらに大きく深く傷ついて、家族(たぶん主にお母さんを)を子供ながらに助けて守ろうとしたんだろうというエピソードを伺うことも何度もありました。そして、みんな口を揃えて言っていました。「俺はオヤジとは違う。許せない。オヤジのようないい加減な男には絶対ならない!」と。
そうなんだ。それはつらかったね。たいへんだったね。しかし、たいてい、どこかになにか違和感があった。うまく言えないから黙っていたけれど。
占いを学んでから、ふっと気がつきました。そうおっしゃった男性たちは、かなりの確率で、世間の枠にはまりたくない、はまりきらない衝動を持っているとおぼしき命式やホロスコープのお生まれだ、ということでした。実際にその衝動を行動化するかどうかは別として、ご自分の中にもある、ご自身のお父さんと似たような衝動を否定し続けて、まるっきりなかったことにするのは、ずいぶん辛いことではないだろうか。
実際に、何度も結婚離婚を繰り返したり、自分があれだけ憎んだ父と同じようなことをしたり(しそうになったり)しながら、自分を責めて苦しんでいたりしている方々の姿を見ると(こんなことはどうしてもご本人たちには申し上げられなかったけれど)、お父さんのことを憎んで憎んで「絶対にあいつのようにはならない」と言えば言うほど、お父さんのイメージは逆に強くなっていくのかもしれない、と感じずにはいられませんでした。
(ここまで書いて気がついた。親があまりにも成功しすぎていたり、立派で偉すぎて、子供に同じことを求めて、負荷をかけすぎた、というパターンもありましたね。いろいろだ)
でも、こういうお仕事の場でもなけれれば、そんなことはご本人たちにはとても言えないし、言わないです。余計なお世話以外のなにものでもない。わたしの勝手な思い過ごしかもしれませんしね。でもたぶん、私がこういう仕事に就いたきっかけのひとつは、そういうお話の数々を、日常の人間関係の中で、黙ってなにも言わずに聞いていることに疲れてしまったから、でもあります。実のところは。
ちなみにニンゲンの相性ってほんとうにうまくできているもので、ご家族として拝見すると、たいていそういう方々の配偶者にも、だいたい大きな欠落感や喪失感があって、お互いが絶妙の組み合せでうまくその穴、欠落感を埋めあっているようにお見受けします。つまり凸凹。ニンゲンの嗅覚、惹き合うチカラってすごい。つくづく感心します。
もちろん、それがうまくいってるときはいいんです。しかしながら、人は人。自分は自分。自分の欠落感や喪失感を、他人のチカラだけで全部埋めてもらおうとするのは最初から無理がある設定だよな、と思います。それってたぶん、他人同士だけでなく、オトナになった親子でも、血がつながっていてもダメなものはダメだろう。人のチカラを借りることももちろんあっていいし必要なことはたくさんあるけど、まずは最低限の自分のめんどうは自分でみられるように、そこがスタート地点であるように思います。
わたしのまわりは、二度目の結婚でうまくいってる人が結構たくさんいらっしゃいます。一回目の教訓をうまく生かされているのでしょう。初回の修羅場から嘘のような幸せそうなお姿を見ると、心底よかったね〜♪と祝福の気持ちが溢れたりします。その反面、離婚のご相談も増えてきました。いろいろですね。でもって、こういうときによく誤解されますが、わたしはイケイケ別れちゃえ!論者ではありません。ときと場合によりますが、使えるものはとことん使え、論者です。
ああ、そんなわけで、だいぶハデハデしく脱線してしまいましたが、ご家族鑑定のハナシ、もうちょっとまた書きます。今回はいちおう「ご自身+実の(育ての)親」という組み合せのご家族鑑定、の話が本題なのです。前振りが壮大すぎました。。。
しかし、まずあしたはお店日記だな…orz