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2018/02/02 立春にむけて〜まだ見ぬ遠き春

2月に豆まきをする「節分」とは、立春の前日のことです。立春を正月とするなら、節分は大晦日。節分の豆まきは1年間の厄を払う「追儺(ついな)」「鬼遣(おにやらい)」といった年越しの年中行事をもとにしています。今年は2月3日が節分で、立春は2月4日。ここから本格的に「戊戌(ぼどいぬ・つちのえいぬ・ぼじゅつ)」年がスタートします。

立春(2/4頃)立夏(5/5頃)立秋(8/7頃)立冬(11/7頃)の季節の分かれ目を意味する言葉だった「節分」は、特に立春の前日だけを指すようになりました。四立(しりゅう)=立春・立夏・立秋・立冬は、太陽の動きを基準にする二十四節気での区分です。十二支では「寅・巳・申・亥」がここに該当し、季節がスタートして勢いを強める様子を表します。

この四立と二至二分(四正)=冬至・春分・夏至・秋分が、暦の重要ポイントです。四正(しせい)=「子・卯・午・酉」は季節がもっとも強まるときで、これは西洋占星術ならアングル=山羊・牡羊・蟹・天秤に相当します。西洋と東洋では「季節」の区切りが違います。西洋での「季節の始まり」が、東洋では「季節の盛り」とみなされるというわけです。(このズレは世界観の違いでしょう)

タロットカードの「運命の輪」と「世界」の四隅には、天使・鷲・牛・獅子が描かれていて、西洋の四元素に当てはめると、天使=風(水瓶)、鷲=水(蠍)、牛=土(牡牛)、獅子=火(獅子)という固定宮の四サインに当てはまるそうです。四立(立春=水瓶・立冬=蠍・立夏=牡牛・立秋=獅子)の季節の組み合わせとおなじ、そのまんまです。暦の仕組みを少しずつ学ぶにつれて、太陽や月をはじめとする天体の運行を観察し、緻密な計算をして暦を作りあげた人達は、古今東西の天才だと感嘆するばかりです。

立春は水瓶の15°を太陽が通過するときです。え?ここが新年ですか?と現代のカレンダーだけしか馴染みがなかったり、西洋占星術(牡羊0°の春分が新年)を用いるみなさまにとっては、奇異な感じがするかもしれません。でも、いろんなお正月があっていいじゃないですか。中華圏で主に祝われる「旧正月=春節」は朔日=新月の日なので、毎年日付が移動します。(今年は2月16日が春節☆)

東洋の暦は「これからやってくる兆しをみる」と言われます。立春や旧正月は「春爛漫♪ 春が来た!」ではなく「もうすぐ春が来るよ」と、前触れをお知らせしてくれるサインです。どこが新年でもいいですけど、たくさんの人が一斉に祝うときには、たくさんの人の思いが詰まった大きな力がありますから、その流れにうまく乗っかるのはいいアイデアです。なんなら、そもそも眠りは小さな死のようなものですから、毎朝毎日生まれ変わったっていいですし、いくらでも何度でも、新しく生まれ変わったらいいです。

みなさまもよき新年を!今年二度目の東京らしからぬ大雪の中よりお届けしました。(天海玉紀)