「子供のことはなにからなにまでぜんぶ管理したいんです!(きっぱり)」と、まっすぐに目を見つめて言われてびっくり仰天いたしました。よくわからないですけど、実際にココロの中でそう思っていても、そこまではっきり口に出しておっしゃる方は少ないんじゃなかろうか?あぜんとしたまま「え?ごめんなさい。おっしゃる意味がわたしにはよくわからないのだけれど、そんなにお子さんを管理して何かいいことあるんですか?」と聞き返してしまった。
親子関係にかぎらず、パートナーシップでもたぶん「ほら!いつもあなたはそうやってダメなんだから。私がいないと何もできないのね」的なフレーズをときどき見聞きしますね。ええ。お相手は確かにダメなのかもしれない。でも、もしかして、いつまでも自分が必要とされるために、相手を無力なままにしておきたい、そういう関係なんじゃないの?と勘繰りたくなることも少なくないのです。相手の存在を使って、自己確認する。相手を無力にして自分の影響下に置く。それはもしかして、無自覚に「先生」と呼ばれる立場、例えば治療家や占い師なども、ついつい陥りがちな罠であるかもしれません。気をつけないと。
わたしのところにお越しくださるお客様からそういわれることはほとんどないのですが、占いには「自分で決められないから決めてください」「どれが正しいのか指示してください」というオーダーもありますね。生年月日のデータから読み取れること、カードなどに出てきたことはそのままお話ししますけど「わたしの話を受け入れるかどうか、ご自分の人生に採用するかしないかをお決めになるのはご自身ですよ」とお話しすると、怪訝な顔をされることもあります。「自分で決めなくてはいけないのですか?」と聞かれることもあります。「ええ。もうちょっと昔だったら、きっと働き者の良いお嫁さんだったでしょうに、生まれてくるのがちょっと遅かったかも。残念でしたね」と答えたり、「ええ。そんな調子だと、いつか悪い人にカモられますよ」と申し上げたりもするわけです。いやはやひどいな。私は「癒し系占い師ではない」との評判を頂いておりますので、こんな物言いでございますが、どうぞ許してください。あれ?!おかしいな…「人生の季節=大運」について書くつもりで下書きもしてあったのに、ついついこんな話になってしまいました。
ちっぽけな自分のあたまのなかでひねりだした理屈など、めのまえの現場の威力にはとてもかないません。しかし、私は考えないよりは考えたほうがましと思うので、私は考える。わたし自身は理屈を考えるのが大好きなのです。しかし結局は、いつも最前線の現場で泥まみれで働く係が人生での役割のようです。じぶんではじぶんの顔はいっしょうみることができませんし、じぶんでおもっているじぶんのイメージがじぶんのありようとは限らない。自分を知るためのワンクッション、ひとつの技法として、占いをお役立ていただければ嬉しい限りです。(天海玉紀)