本日(2017/06/03)開催の「基礎講座・第二回」ご参加くださったみなさまありがとうございました。みなさましっかり意欲的に復習してきてくださったのがよくわかりましたし、一つ一つの話に身を乗り出してみっちり聞いてくださったのがギュンギュン伝わってきて、とても嬉しかったです。
今日お話ししたのが、いちばん要になる十大主星の出し方についての核心部分です。あとはもうたくさん数をこなして慣れていただくだけですので、ぜひぜひチャレンジしてみてくださいね!
それから、途中でご質問いただいたとても大切なポイントについて。「日干が壬の鳳閣星と、日干が丁の鳳閣星の違い」は、実際の方のキャラクターを目の前にして、だいぶリアルに感じていただけたのではないかと思います。
もともとの暦から導き出される干支の並びの五行は、その人それぞれの素材です。それを元に、環境の中でどのようなモチベーションで、どんな行動をしやすいかを表すのが「五原則」つまり十大主星で表される部分です。
この二つの違いについては、頻繁にご質問をいただくテーマなので、過去ログから探してみました。ちょっと長いですが、お時間あるときにでもご一読なさってみてくださいね。ご質問などもいつでもお送りください。ではまた二週間後、頑張っていきましょう^^!
本日(2016/02/11)開催の講座では、十二支の陰陽五行の配分を中心に命式をみていく読み方をお話ししました。
たいていいつでも「陰占(干支の並びをよむ)と陽占(十大主星と十二従星の並びをよむ)とはどう違うのか?」というご質問があります。ですよねー。わかります。よくわかんないですよね、これ。わたしも勉強し始めた頃からずーーーっと考え続けていて、なかなかいまでもすっぱり短く説明するのは難しいです。
例えば今日のご質問をアレンジしてみると、「わたしは己(つちのと=土)の生まれなのに、調舒星(火)が中心星です。土と火の解説は全然違うので戸惑います。いったいこのふたつはどう違うのですか?」という感じです。
以前(2015年3月)、同じようなご質問にお答えした記事があるので、そこから若干加筆修正して転載します。まずは当時Eさんからいただいたご質問(原文まま)をご紹介です。
たまき先生こんにちは。
私の命式ですが、
鳳閣・調舒をまったく持っていませんが、
陰占で
丁火の火性をもっています。ということは、鳳閣・調舒の「火」の要素も
持っていると、考えてもいいのでしょうか?自分自身を振り返ってみると、
伝達・表現することに憧れに似た感情があります。例えば
ブログを書いたり、何か形として残せるようなものづくりをしたい
と思うのですが、正直それを続けると、疲れてしまいます。
なので、算命学をちょっとかじった今は、無理はしていません^^;でも、やりたいという気持ちだけは残っているので、
若干不完全燃焼的な感じではあります。すみません、なんだかまとまらない質問になってしまいました(汗)
先生のブログは、入り口はシンプルだけど、目から鱗の
事例で分かりやすく、かつ奥深くとても面白いです♪
Eさん、ありがとうございました。ご自身の実感と合わせてまとめてくださっているので、とてもわかりやすいですね。私自身も、最初に算命学のクロワッサンムックを読んで以来、勉強し始めてからもしばらくのあいだ、ずーっと同じようなことを疑問に思っていました。
主精(と、クロワッサンムックには書かれていたはず)は、「海」って書いてあるから「私は海なんだ〜」って思ったけど、「あなたの性質は山みたいなものですよ(禄存星中心)って言われて混乱しています」というご質問も以前いただきました。Eさんの疑問と同じポイントですね。例えばきょう生まれの人だったら、干支暦ではこんな並びになります。
己 己 乙
丑 卯 未
日干(上段のいちばん左)は「己(きど/つちのと)」参考書などを見ればきっと、大地のような性質。誰からも親しまれる庶民的なキャラクター。包容力がある。などなどと書かれていることでしょう。なるほど。
もうひとつ考えてみます。卯月生まれの己、ということは、つまり、乙に剋される己=車騎星中心。思い切りがよく、考えるよりまず体が動く行動派。裏表なく正直な人。なーんて書かれていることでしょう。
あれ??? なんか矛盾しない?どっちが本当なの? と思ったことある方は、きっとこのブログをご覧くださってる方々の中にはきっとたくさんいらっしゃるはずです。
※ 日干が戊、中心星は禄存星、日干が壬、中心星は龍高星、みたいな方々(10パターンあるので以下省略)には、両方の性質を表す記述にほぼ矛盾がないです。
さてさて。理論の話。
陰占(干支の並び)は、現実を表し、
陽占(9マスの命式)は、精神を表す
正式な算命の授業では、たぶんそう習うんだとおもうんです。「陰占だけでなく、陽占だけでなく、両方のあいだに真実の人間の姿があるのだ」的な記述をどこかで拝読したことがあります。
うーーーん。そうなのかもしれないけどなぁ…
へそ曲がりな私にはピンとこなかった。
んーーーー。わかったようなわかんないような。。。
もういちどまとめてみます。
丁(ていか/ひのと)の日生まれのEさんは、何かを表現したい気持ちや衝動(火性の伝達本能)をご自身の中に感じつつも、実際にそういうことをすると疲れてしまう、とおっしゃっています。
陰占(生まれた日の干支暦の並び)は、その人のナマの素材そのものを表していて、陽占(9マス型の命式)は、その人の考え方やモチベーション、そこから生じる行動傾向を表している、と私は考えています。
陽占というのは、日干と周りの関係から導き出される関係図です。(テクニカルな話は省略。ここだいじ。よくわかんないよ〜という方は、講座や鑑定で聞きに来てください。よろしくです!)
つまり、この人はこういう人=日干、この日干の人がどういう環境の中にいればその人にとって自然で、その中でどういう欲求や傾向があって、そこから行動パターンを取るとその人にとっての自然なありかたなのか、という傾向を表すのが陽占、の意味だと思われます。
そうだなぁ… ある日干=じゃがいも としますよね。これがその人そのものの素材。
陽占=行動パターンは、そのじゃがいもを使って、肉じゃがを作ろうとするのか、おしゃれな洋風料理を作ろうとするのか、庭に埋めて育てようとするのか、みたいな発想や、行動傾向を表している、と考えてみるのはどうでしょうか?
↑ ここまでが要点。以下は実例での説明。
(Eさんの例)
つまり、日干がEさんの場合なら、元の素材は「丁(ていか/ひのと)」なので、情熱的で好き嫌い激しく、芸術的な才能や何かを伝えたり表現せずにはいられない衝動があるのは、ご自身でおっしゃるように確かなのでしょう。
でも、陽占でみると、Eさんは禄存星中心の人。何かを発信したとき「いいね!」のようなリアクションがたくさんあって自分が注目されたり、人を喜ばせたりするときにやりがいを感じるのでは?(ご自分にとって自然に感じられる行動パターン=禄存星的な発想や行動様式)
命式に洩気=鳳閣・調舒がなくって、財=禄存星・司禄星や、官=車騎星・牽牛星の比率が圧倒的に強いEさんは、「みんなを喜ばせたい!」欲求や、「ここで自分ががんばらねば!」という義務感が強そうです。自分の欲求より、周囲の期待に応えたり、周囲からの高い評価を得ることに大きな意義を感じるでしょう。
ですから、結果的にEさんは周囲からみると、とても感じが良くて頼り甲斐のあるしっかりものだけど、もしかしてご本人は楽しくない、くたびれてしまうことも少なくないのでは?(陽占から推測する、Eさんの行動パターンの傾向です)
鳳閣星・調舒星型の人たちなら「やりたいからやる」「好きだからやる」という姿勢が基本になるので、見返りとか結果については頓着しません。楽しいことが大事。発信するのも表現するのも、自分がしたいから。それが楽しくておもしろいから。結果的にそれで人が喜んでくれたり、お金や評価になればラッキー。でもそれはあくまで副次的なものにすぎません。
でも、禄存星・司禄星型の人たちは何か発信するにあたってはまず目的ありき。それにリアクションや見返りが少なければ、きっと、「こんなことして何になるんだろう?」とか「誰も見てくれないところでこんなことするのは恥ずかしい」とか「タダでこんなこと教えたくない」とか、いろいろ心に思うことがあるんじゃないでしょうか?
もちろんお仕事として「売上のためにはやらねばならぬ!」というような状態で、ファンがいっぱいいるぜ!という状態なら、Eさんはきっと素敵な文章や作品をたくさん量産してくれそうです。でも、はっきりした理由なく、ご自身の欲求として、何かを発信しつづけること(鳳閣星・調舒星的)な行動をとるのは、なかなか難しそうにみえます。
とはいえ、ご自身の本来の姿が「丁」なので、赤々と燃えて周囲を暖めたい、というお気持ちはお持ちとのこと。そこに気づかれたのはとてもいい発見だとおもいます!
そのあたり、素のご自身の欲求は、ふだんのご自身の行動パターンからはなかなか活かしにくいと感じられるかもしれません。でも「ここに灯りがあるよ!」ってアピールするだけでも何か違うはず。ご自身の「丁」の性質をもうちょっとストレートに生かしていくとよろしいのではないでしょうか?(と、鑑定では申し上げたことがあったとおもいます)
その後!Eさんは、花文字作家の椿リコさんとしてあちこちでひっぱりだこの大活躍のご様子です。腕が腱鞘炎になって上がらなくなるまで描き続け(車騎星気質)、たくさんの生徒さんたちに慕われている(禄存星気質)とのことです。よかった♪ ますますのご活躍を!
< たまき仮説 >
日干は、周囲からみるとその人のキャラクターをよく表しているけれど、本人としては無自覚な場合が多いはず。ですから、(その人の命式の構造にもよりますが…)行き詰まってるときには、意識的に日干の性質を生かした行動をしてみては? と、私はみなさまにご提案しています。
また、陰占だけからでも、読み取れる情報はたくさんあります。
丁の日生まれの人なら、秋の夕暮れ時の炎は幻想的でミステリアス。夏の盛りの炎は暑くて熱くてかなり強烈な個性。冬の炎だったら、辺りを照らすありがたい灯火だけど、雨や雪の中で燃え続けるのはなかなかハードだね。みたいに、同じ炎でも、いろんな季節や風景、シチュエーションが考えられます。自信満々で燃えさかる炎なのか、燃料不足で風前の灯火の炎なのか、そんなこんなまでを命式を見ながら総合的に考えていくわけです。
つまり、「十大主星シリーズ」を私はいっしょうけんめい開催してるし、大事だと思ってますけど、それでも中心星(陽占)だけを絶対視したらダメダメよ〜!と考えているのです。
というわけで、結局のところ、陰占も陽占もだいじですよね。
ということが言いたかったのでした。
文章に起こすのはなかなか難しいですね。
もうちょっとわかりやすく書けるように精進します。(2015年3月記)