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財と官(禄存星/司禄星&車騎星/牽牛星)

「財」と「官」というのは、四柱推命っぽい言い方ですが、算命学の十大主星の意味とも同じです。だいたいいつもふだんの講座で喋ってるような内容を、ふだん喋ってるような調子で書いてみたのが、この記事でございます。お勉強用にどうぞ。

財 = 禄存星・司禄星
官 = 車騎星・牽牛星

先日は、鍼灸師としての勤務時代の暗黒記憶を書きましたが →★(別サイトへリンク)、もちろんいいこともたくさんあったのです。勤務先の名誉のためにも、ここらへんは強調しておきたいところです。

ふつうに生活していたら、まずお目にかかることのできないようなさまざまな業種の方々や、社会的地位の高い方々にたくさんお目にかかることができました。(さらに半裸に剥いて、個人的なご事情やご体調を伺って、他にもいろんなお話をして…ってなもんですから、まぁあんまりふつうにはありえないことですね)これはいまになってつくづくありがたいことで、自分がなんとか食いっぱぐれずに生きているのは、勤務時代の経験があるからこそ、でございます。

普通に生きていたらぜったいにお目にかかれないような、いろんな職業の人にお目にかかっておいた経験は、東洋占を学び始めたときにも非常に役立ちました。ものすごく平たくわかりやすく言うと、「財」型は収入が一定ではないが、「官」型はお給料をもらうタイプの業種、とでもいいましょうか。

財星と呼ばれるのは禄存星、司禄星。官星と呼ばれるのは車騎星、牽牛星。どちらも現実の世の中できっちり仕事をこなしたり、しっかりお金を稼いだりする能力を表します。

「財」型の方々は、銀座のママさんやホステスさん、中小企業のワンマンオーナーさん、飲食店経営者、タレントさん、資産家(ビルや不動産、投資や株式運用)、といったみなさまであり、「官」型の方々は、超一流企業の偉い役職者、霞が関の国家公務員、いわゆるエリートサラリーマン、高度専門技能者、○○士業、といったかんじです。

ちょっとご挨拶してお話をするだけで、この二つの世界の違いははっきりとわかります。(実際のお誕生日がどうだったとしても、住んでる世界によって、その人の雰囲気というのは規定されていくものです)

「官」型の方々は、服装もきっちりと、話し方も折り目正しく、いつも腰が低くて時間を正確に守る。なぜなら、たくさんの人が押し合いへし合いする世界に秩序をもたらし、きっちりと組織の中で自分の能力を生かして役立つこと、規律を守り正確で正しくあることがとても大切だから。(それができない「官」はぜんぜんダメだ!)しかしながら、無個性で画一的。まるっきり面白みに欠ける。

「官」= 日干が他の干に剋される状態

車騎星 = 偏官
(陽干×陽干 or 陰干×陰干)

牽牛星 = 正官
(陽干×陰干 or 陰干×陽干)

「財」型の方々は、愛想はいいし人間的にとてもチャーミングだけど、どこか気まぐれで得体の知れないところがある(さすがに成功してる財型の方々は、折り目正しく時間と約束はきっちり守られます)。そもそもお金や人気というのは、いつも流動的に揺れ動く水ものだから、いつだってその大きな動きに対応できるように鷹揚に構えていなければ「財」をコントロールすることなんてできやしないのでしょう。

「財」= 日干が他の干を剋す状態

禄存星 = 偏財
(陽干×陽干 or 陰干×陰干)

司禄星 = 正財
(陽干×陰干 or 陰干×陽干)

どちらがいいとか悪いとか言う話ではなく、それぞれの生きてるポジションや、目的がそもそもぜんぜん違います。だから「偉くなる=お金持ちになる」というのはちょっと理解が甘い。「官」はあくまでも名誉です。社会的な評価が高くて尊敬されるような立場でも、お給料が少ない、なんて例はたくさんありますし、「財」を生かすなら、社会的にはあまり地位が高いとみなされないような業界でのほうがむしろ活躍の場がたくさんあります。

東洋占を学び始めたばかりだと、たぶん「財」と「官」の違いがよくわかってない人が多いはずです。「資産がある」ことと「社会的地位が高い」ことは、まったく別ものです。基本的にお給料をもらうサラリーマンの立場はあくまでも「官」の領域のものであって、お給料は「財」とは呼びません。

究極の「財」型の世界を生きてる方々とお話すると、お金や資産がいっぱいあるというのもつくづく大変なことなんだろうだなぁ…としみじみ感じます。「財」がたくさんある=自分が責任をもってコントロールしなくてはならない対象がたくさんある、ということですから。おまけに「財」がいっぱいあったからといって、心の安定や幸せ、健康が保証されるとは限りません。むしろ、その負担が心や健康を痛める可能性も多いにあるわけです。

「官」が強すぎるタイプのみなさまもまた、自分を律して、剋して剋して剋して剋して…となるので、これまた大変そうです。(いや、ご自分たちはそれがあたりまえなのでしょうけれど…)見ていてだんだん苦しくなります。おまけにそのストイックさを周囲にも要求するようになるともう大変だ… 「どうぞくれぐれもご自愛ください」という言葉を心から捧げます。

※ 2016/01/23「禄存星・司禄星」特集を開催しました。レポ更新中。 →★