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2017/02/24「つなぐ系」と「切る系」

ふだんお伺いするテーマのほとんどは「つなぐ vs 切る」のアンバランスによるとおもわれることがたいへん多いです。え?意味わかんないですか?ざっくり分類してみましょうか。

つなぐ ⇒ 増やす、広げる、受容する、続ける、親密さ、共感性、関係を作る、女性性(と呼ばれやすいなにか)
切る ⇒ 減らす、狭める、断る、変える、問題や個人の限界をはっきりさせる、男性性(と呼ばれやすいなにか)

いかがでしょうか。どちらかに好みが偏りますか?きになること、おもいあたるふしがありますか?もともとご自分がどちらの傾向が強いタイプかを知っておいて損はありません。(これはどちらも持っててバランス良ければそれにこしたことはないでしょう)もちろん「そんなのどっちもかんけーねー」というご相談ももちろんありますが、全体から見るとそれはたぶんレアケースです。

ご自分の目の前にある困った状況が、「つなぐ系」と「切る系」のどちらの要素が強いかわかれば、その後の予測も対処の仕方も少しは考えやすいです。まず、「つなぐ系」の人と「切る系」の人では、お悩みのタイプや問題が大きく違います。切る系の人が「誰にも会いたくないけど、良い出会いが欲しい」とか、つなぐ系の人が「世界中から愛されたいけど、嫌いな人には寄ってきてほしくない」とか真剣におっしゃってると、ちょっとびっくりしますし、「そんなうまいはなしはないね!」としか申し上げられないです。そもそも、誰でもなんでも、「つなぐ」と「切る」のどっちか片方だけではだめで、どちらもバランスよくあってこそ、物事はスムーズに流れます。

こういう二分法の発想は、いくらでも応用がききます。「くっつきたい人」vs「放っておいてほしい人」、「支配したい人」vs「言いなりになりたい人」、「スルーする人」vs「はっきり言う人」、「現実で物事を成し遂げたい人」vs「精神や理想の純粋性を目指す人」、「集団の一員であることを最重視する人」vs「集団から抜け出た個性を最重視する人」とか、とにかくあれこれ並べはじめたらきりがないくらいいろんなパターンがあります。自分自身の中で、同時には両立できない矛盾した要素の葛藤を抱えてる場合もあるし、自分と誰かとの関係の中で、そうした矛盾のキャッチボールをやりとりしてる場合もあります。(それがたのしくてしあわせなら、止めません。どうぞこころゆくまでぞんぶんにあじわって♪)

福の神は「ふやす」系で、貧乏神は「減らす」系のわかりやすい象徴です。きっと伝統的なスタイルの福の神がもたらす福の背景には、きっと人間関係のぶあついしがらみや大きな責任がありそうですから、これから精神修養して悟りを開くんだ、という方にとっては、むしろよけいなものを削ぎ落としてくれる貧乏神のほうがありがたいかもしれません。そうそう、美しい木花咲耶姫(このはなさくやひめ)は、醜くとも永遠の命を持つ磐長姫(いわながひめ)とセットでしたが、人間の祖先と言われるニニギさんが美女だけを選んだので、我々は死すべき運命となりましたとさ。ふつうの人間のキャパシティでは、どうやらふたつのものを同時にもちきれないらしいのかもしれません。

占いの勉強をしながら、いまでもわたしはしょっちゅうこういった脳内シュミレーションを繰り広げています。ベースのロジックは、西洋占星術でも、陰陽五行でもなんでもいいので、それぞれの特徴に応じてサインや星を仕分けする練習は、地味な筋トレのようでじょじょに効果が蓄積されていきます。基本的なルールとロジックをある程度理解できたら、あとは仮説⇒確認・実際の人に聞いてみる⇒修正⇒また仮説、みたいな一連の作業が日々おもしろくてしかたありません。いつでもお仲間募集中です。(天海玉紀)