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2015/05/19 空っぽの自分

先日、伊豆に連れて行ってもらいました。くねくねと蛇行しながら流れる狩野川、平地にぽこぽこと盛り上がった不思議な形の山々(太古の火山マグマの名残?!)、湧き出る豊かな流れ、遠くに富士山をのぞみながら、三島・伊豆長岡・浄蓮の滝を巡り、伊豆のど真ん中に点在する、きれいなところ、おもしろいところ、おいしいところ、あちこちくまなくみっちり体験させてもらいました。地形フェチの私としては、あちこち眺めて考えるだけで、もう大興奮大満足!でございました。

どこかに行くときは、ほぼ確実にひとりで全行程ぜーんぶあれこれ考えて、ただただ黙々と行くので、こんなお姫様待遇をしていただくのは超絶珍しい体験です。今回はそもそも「私の地元をご案内します!」と誘っていただいので、「やったー!お願いします♪」とまったく現地の下調べもせず予備知識もなく、道中の運転も、行く場所もすべてまるごとお任せさせてもらっちゃいました。そのおかげで、自分だけの興味や選択だったらたぶん行かないし行けない(私は車運転するのが怖いしな…)場所や体験を満喫することができました。おもしろかった〜♪

いきなり大幅に話が飛びますけど、きょうの午前中は「宿命中殺」についてお話しました。大事なポイントはいくつかありましたが、その中のひとつに「我をなくす。自分を空っぽにする」というテーマがありました。「私は」「自分は」という主張や要求を引っ込めて、自分の存在をうすーくしていけばいくほど、自分の枠以上のさまざまな出会いや出来事が流れ込んでくる可能性があるよね。というのは、なかなか抽象度・難易度の高いお話に感じられるかもしれませんが、今回の私のように「私はここに行きたい」とか一切言わずに、「オススメおまかせコースでおねがいします!」と、相手や環境を信頼して飛び込んでみるのは、明らかに「自分を空にする」体験のバリエーションです。ワタシは基本的に我が強くて、自分の意思と努力でコントロールできることしか信用してないので、ぜんぶお任せして乗っからせてもらった今回は、とてもいい経験になりました。(お招きくださってありがとうございました!)
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というわけで、その日に浄蓮の滝で撮った何枚かの写真のうち、これがいちばん勇壮で勢いがあっていい!とおもった一枚を自分のブログにUPしましたところ、さっそく「馬に乗った武士がみえる」とのご指摘をいただきました。えー?!そうなの?!いかんせん鈍感なる私にはぜんぜんわかんないのですが、歴史や場所柄を考えれば、当然ながらあの場にそういう方々がいらっしゃってもおかしくないでしょうとも。いかがでしょうか?みなさまには見えますか?

浄蓮の滝はさすが「天城越え」の石碑が建ってるだけあります。情念の滝、とでも呼びたいような激しさと、しっとりとした陰影に溢れた魅力的な場所でした。(天海玉紀)